最近、いろいろな勉強会やセミナーに参加していて「自分に刺さるセミナー」と、「自分に刺さらないセミナー」があることに気が付いた。
いったいこの違いはなんぞや?と考えた時に、「共通認識を図る」ことに思い至った。
ビジネスマンや人にモノを教える教師、セミナー講師、営業マン、すべてに当てはまる考えだと思うので、是非とも考えてみてほしい。
共通認識の意味
共通認識の学術的な意味で言うと、
相互の共通の認識、特に同じ物事や同じ言葉について、同じように理解しているという共通の理解のこと
だと、言われている。
一言で表現するなら「相手と同じ土俵に立って考える」といったところだろうか。
たとえ話を一つしたいと思う。
ある昼下がり、日ごろの仕事の疲れを癒しているあなたの家のチャイムがなる。
先日Amazonで注文したものかな?と思い、玄関のドアを開けるとそこにはスーツの男が。




そうして一日が終わる。
ちなみにAmazonは来なかった。
今ではもうこのような訪問販売は数が減ったと思うが、この営業(訪問販売)が失敗したのには明確な理由がある。
共通認識を持つことの大切さ
さて、なぜこの営業マンは営業トークに入る前に断られたのだろうか?
ここで訪問販売だったからと答えるはナンセンス。
訪問販売も立派な一つの営業手段であり、手法としてはあながち間違っているとは言えない。
この営業マンは「相手が自分の売る商品を欲しているのか、いないのか」という共通認識を持っていなかったらからこそ、営業に失敗したのだ。
もし、訪問先のお客が

と、なったのであれば、おそらくこの営業マンの営業は成功し、

と、なっていっただろう。
めでたしめでたし。
商品を売る・相手に何かを教えることに共通する大切なことは、「相手が本当に欲している商品(情報)なのか?」を考えることだ。
営業マンはまず、「相手が何に悩んでいるのか、自分の売ろうとしている商品がその悩みを解決できるのか」を真っ先に考えるべきであって、それを吹き飛ばしていきなり商品のアピールをすべきではない。
セミナー(勉強会)の講師も同じで、参加者が金を払って参加していないのであれば「自分が教えることで解決できる「課題」を参加者と講師で共通認識を持つ」必要がある。
セミナー(勉強会)で講師が意識すべきこと
たとえば、あなたが社内で新たに「ビジネススキル」に関するセミナー(勉強会)を開くとしよう。
参加者は社員全員強制参加だ。
あなたはセミナー(勉強会)のなかで、いかにビジネススキルが大事なのかを熱弁する。
セミナー(勉強会)が終わり、講師であるあなたは全員からフィードバック(感想)を募る。
そこであなたは怒る。「なんだこの質の低いフィードバックは!」と。
なぜ参加者からのフィードバック(感想)が講師の望むレベルに達していなかったのだろうか?
答えは簡単で、「講師と参加者の間で共通認識を図れていない」からに過ぎない。
例えるなら、講師はいきなり訪問販売で羽毛布団を売りに来ているようなものだ。
いかに「羽毛布団はすごいんだよ!買うべきだよ!これを買わないなんてあり得ない!」
と叫んだところで、参加者たちが「羽毛布団の必要性」を認識していない限り、参加者には刺さらない。
そんな中で集めたフィードバック(感想)も「羽毛布団がすごいと思いました」「羽毛布団にこんな効果があるなんて知りませんでした」という域を超えない。
講師がすべきだったことは、セミナー(勉強会)を始める前に
・なぜこの勉強会を開いたのか
・この勉強会に参加することでどのようなメリットが得られるのか
・だから今回自分はこういうことをみんなに伝えたいという思っているんだ
という認識を、講師と参加者たちの間に共通認識として持つべきだったのだ。
それを挟まずに、いきなり「羽毛布団がすごいんだぜ!」といった話をしたところで、参加者たちには刺さらない。
まとめ
これはセミナー(勉強会)に限らず、営業などにも関連してくる。
ダメな営業マンはいきなり商品の宣伝から始める。
出来る営業マンは、まず相手が何に悩んでいるのかという認識をそろえることから始める。
ビジネスも、対人コミュニケーションも、恋愛も、相手がいる以上「相手の考えに足並みをそろえる」ことをしなければ、どれもうまくいかないんだなぁと思った今日この頃。