難しいことを簡単に説明するのは、簡単なことを難しく説明するよりも難しい

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個人的な好みになりますが、頭の良い人が書く文章が好きです。

そりゃ仕事で疲れきっているときは、どうしようもないくだらない下ネタとかを読みつつ、死んだような顔で笑うことが楽しい時もありますが。

じゃぁ、頭のいい人が書く文章って何?って話になるのですが、論理がしっかりと組み立てられている文章だと思います。

おちんぎん高い人は低いおちんぎんの人に頼らないで欲しい

はてブの女性専用車両に対する知見に頭がクラクラした

最近読んだ上記の2つの文章は、(内容に対する賛否は置いといて)読んでいてスムーズ読めた文章でした。

で、特に後者の記事を読んでて思ったのが「難しいことを簡単に説明するのは、難しいな」になるということでした。

難しい文章を読むと賢くなった気になれる

例えば、後者の記事に一部こういう文章がありました。
※色付けはこちらで独自につけました。

もちろん、特定の状況下における「合理的区別」は合法でしょうし、鉄道会社の営業の自由も一定度は認められてしかるべきでしょう。

はてブの女性専用車両に対する知見に頭がクラクラした

アファーマティブアクションがいい例ですね。非対称性権力勾配是正措置自体は、それが段階的な解消を狙いとした施策であればアリでしょう。

はてブの女性専用車両に対する知見に頭がクラクラした

総量を男女比に応じて適切配分するのはアリかもしれませんが、はたしてそんな前近代的なディストピアの到来を望みますか?それで賛成派の皆さんがいうところの「非対称性」は解消されますか?

はてブの女性専用車両に対する知見に頭がクラクラした

「合理的区別」「アファーマティブアクション」「権力勾配」「是正措置」「ディストピア」

どれも日常生活ではあまり聞かない言葉です。

読んでいて、これの意味を正しく理解できた人はどれくらいいたのでしょうか?

ちなみに私は「アファーマティブアクション」がちんぷんかんぷんでした。

アファーマティブ・アクション(英: affirmative action)とは、弱者集団の不利な現状を、歴史的経緯や社会環境に鑑みた上で是正するための改善措置のこと。この場合の是正措置とは、民族や人種や出自による差別と貧困に悩む被差別集団の、進学や就職や職場における昇進において、特別な採用枠の設置や、試験点数の割り増しなどの優遇措置を指す。

アファーマティブ・アクション – Wikipedia

日本人が使う漢字はすごく便利なもので、「権力勾配」という言葉の意味が分からなくとも「権力」と「配」を見るだけで、なんとなくの意味が分かるようにできています。
※英語も「ディス」は否定で使われるなどありますが。

こういう、日常で聞かない単語を使うことって、2つの側面からメリットがあると思ってます。

書く側のメリット

・長ったらしい意味合いの言葉を、短い言葉にできる

・なんとなく「ソレ」っぽい文章になる

読む側のメリット

・(単語の意味を正しく知っていれば)短い文量で言いたいことを理解できる

・読んでいてなんだか「賢くなった」気がする

前者のメリットは大いに受け取るべきですが、問題になるのは後者のメリット。

・なんとなく「ソレ」っぽい文章になる

・読んでいてなんだか「賢くなった」気がする

これの何が危ないのかというと、以下のような点が出てくることです

・議論の内容が「相手の話す言葉」に対する言及になる(例:アファーマティブアクションって意味違くない?合理的区別とはまた別だろ?など)

・意味が理解できる一部の人のみが議論に参加することになる

・意味が理解できていないけどなんとなく賢い言葉を使いたいだけの人が参加する

すごくワガマママなことを言うと、分からない言葉がたくさん出てくる文章って読む気がなくなります。

「そんなの知るか!」と、書き手は思うかもしれませんが、電車という誰もが利用できるサービスでの出来事に対して意見を出している以上、少なくとも「電車を利用できる誰もが」分かる文章にしないと意味はないと思います。

にもかかわらず、「一部の人のみが、書き手が伝えたい意味を正しく理解できる」ことで、参加者(理解者)が限られる不平等の場になっています。

これが「難しい言葉を、難しい意味合いのままに使う」ことの最大のデメリットです。

人と議論をするときに大切になるのは共通認識

人と人が会話できるのは、お互いに共有認識を持っているからです。
もし、お互いの共通認識がずれていた場合、どうなるのでしょうか?

例えば、「果物のリンゴ」について会話をするとします。
そのとき、A(狐)はリンゴが世間一般的な「赤くて丸い果物」であると思っています。
一方、B(狸)はリンゴが「緑色で食べると辛い食べ物(いわゆう「ワサビ」)だと思っています。

両者の認識がずれると、以下のような話になりあす。

リンゴって知ってる?
知ってる知ってる。それがどうした?
最近、リンゴが値上がりしてるんだよね。好物なのに困ったよ
へー、そうなんだ。ソバとかにもいれるとおいしいから、結構使うのにな
え?リンゴをソバに使うのなんで?
え?なんでソバにリンゴ使わないの?
いやいや、ソバにリンゴ入れるのはあり得ないって。絶対合わないでしょ。
いやいや、入れるのが常識だって。リンゴ入れないとか子どもだけでしょ。
入れる方が子どもでしょ!何言ってるの

上記のように、1つの単語に対する認識がお互いに違うだけで、まったく話がかみ合わなくなります。

認識のズレは、特に「難しい表現を使う場合」や、「社会的な話をする場合(例にも挙げた女性専用車両問題とかジェンダー論とか)」に出てきます。

で、認識のズレが起きると、それがいつかは「相手の言っている言葉が気に食わない」「相手の使っている表現に対する文句」につながり、そこから全く関係ない話に飛び火することがあります。

例:女性専用車両の話だったのに相手の揚げ足を取り始める
●●は日本語の使い方として違うなどの、まったく関係ない指摘をし始める

難しい言葉を簡単に説明できれば、世界は平和になる

これ、割と本気で思っています。

難しい言葉って、やっぱり発言者と読み取る側で、意味合いがずれることが多々あります。

それに、難しい言葉って読んでいて「気持ちいい」んですよね。

自分が賢くなったような気がするので。

だから今後も消えることはないと思います。

ただし、難しい言葉を簡単に説明するのは、すごく難しいです。

例えば、「暗中模索」って言葉を分かりやすく説明すると「暗闇の中で、手探りでものを探すようなイメージ」という風になります。

だったら暗中模索って書くだけでいいじゃん!楽じゃん!

と、なりますよね。

また、相手が「どれくらい知識を持っているのか」を考えつつ、不特定多数に対して文章を書くのはめんどくさい!となりますよね。

両親に自分のやっている仕事について説明をするとき、一切の業界用語を使わずに小学生でも分かる言葉で説明できる人はどれくらいいるのでしょうか?

簡単な言葉を難しくすることは簡単ですが、難しい言葉や専門用語を誰にでもわかるように説明するのは難しいことです。

しかし、それをやらないと「認識のズレ」が起き、話したい内容とは全く別のところに意識が飛ぶ場合が多々あります。
※揚げ足取りや、相手個人への誹謗中傷など

そうならないためにも、難しいことを分かりやすく説明する技術は大切なんだなと思った次第です。

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